まずはホイールのスペック決めから。
自分で組むので全て思い通りのスペックにしようと思います。
前回:
●まずはホイールのスペックを決める
作ると決めたのでまずはホイールのスペックを決めていきます。
・ホイールサイズ
これはETRTo406とETRTO451の選択があります。
既存と合わせるなら406、サイズアップして高速化を目指すなら451を選択します。
451にするとフロントと異径サイズになるため、基本的にフロントも変更が必須になります。
(変更しなくても走りますが、前傾姿勢になってしまうのと、いわるゆ”ファニーバイク”と呼ばれるカテゴリの変態自転車になります)
今回は走りの特性を変える気はないのと、406→451化したところで同一ケイデンスで得られる高速化は極々わずかのため、406を選択します。
(高速化したいならフロント歯数を53Tから56Tとかにしたほうが上がりますし)
・ハブ
ハブはOLDが135mmであること、および10速のカセットが入ることが最低条件です。
メーカーは入手性と価格の観点でシマノ一択ですが、OLD135mmだと
・リムブレーキ対応(ハブ種類は少なめ、エントリー用クロスバイクに採用例があるので基本エントリーグレードが多い)
・ディスクブレーキ対応ハブ(MTB用、種類はエントリーからハイエンドまで)
のどちらかを選択することになります。
また、ディスクブレーキ対応ハブはローターの固定方法が2種類あり、6ボルトタイプか、センターロックかでハブの形状が大きく変わります。
今回はブレーキはリムブレーキになるので、正直どれでも構いませんが、ディスクブレーキ対応ハブをリムブレーキ方式で利用するのであれば、センターロック式にしたほうがハブ回りはスッキリします。
穴の数は後述するスポークの交差数によって変わってくるので、対応したものをチョイス。
・スポーク
スポークには大まかに4つのパラメータがあり、
・太さ(番手、数字が小さくなるほど太くなる、一般的に使われるのは#14)
・材質(スチール(鋼鉄)、ステンレス(SUS304系、SUS430系))
・編み方(ラジアル/イタリアン/JIS、交差数)
・形状(ストレート、パデッド、ダブルパデッド、エアロ)
これによってホイールの特性が変わってきます。
太いほうが重くなりますが当然強度は上がり、
本数が多くなるほど当然強度も上がり、
ラジアルよりイタリアンのほうが動力伝達性/衝撃吸収性に優れています。
今回は極端に耐久性に振ったホイールを目指したかったので、
・フリー/反フリーともにイタリアン組とする(純正は反フリー側はラジアル)
・強度を上げるために購入候補のETRTO406リムで選択可能な最大数である32穴にする
・32穴で最大の交差数である3交差(6本組)とする(一番スポーク長が長くなる組方)
・太さは一般的な#14ではなく#13を、スチールの錆とSUS304の破断特性を嫌ってSUS430系を使用
というスペックで組むことにしました。
●パーツの選定と調達
・リム
ETRTO406のリムに関しては実はほぼ選択肢がありません。
市販で比較的容易に調達可能なのは実質AlexRimsかパワーツールズです。
今回はAlexRimsのDA16をチョイス。最初は黒が欲しかったのですが、在庫がなくシルバーになりました。お値段は5240円(送料込)。
もう1本作る予定なので、その時は黒にしようと思います。
・ハブ
調達に関しては一番ネックになったのがこのハブでした。シマノで調達しようとすると、基本在庫なし、入荷予定は未定か夏以降と超納期ばかりで、必死になって探しました。
最終的にはヤフオクでFH-T3000の新品を発見し、こちらをゲット。
シリーズとしてはACERAというトレッキング&リムブレーキ用のグレードです。
お値段は3020円(送料込)でした。
・ハブがサポートするカセットの種類について
リアのフリーハブに装着されるギアは年々多段化され、今のリアは8-12速が普通です。
この対応がとてもややこしい。調べた感じだと
・10速のカセットの幅が一番狭い(11速>8-9速>10速)
・11速のフリーハブは8-10速対応フリーハブよりもスプラインが長くなっている
・10速専用ハブ(10速カセットしか入らないハブ)が存在する
よって
・8-9速のカセットは8-9速フリーハブに入る
・10速のカセットは8-9速より幅が狭いので、8-9速のフリーハブに入る(よって8-9速ハブは8-10速対応ハブと表記されることがある)
・10速専用フリーハブは10速のカセットしか入らない
・8-9速、10速専用、11速のカセット/フリーハブのスプラインはロード/MTB共通
・10速のカセットを8-9速フリーハブに入れる場合、1mmのスペーサーが必要
・10速カセットでもCS-HG500-10のように、スペーサーが必要ないカセットもある
・10速カセットを11速フリーハブに入れる場合、1mm+1.85mmのスペーサーを利用して装着
・8-9速カセット11速フリーハブを使う場合、1.85mmスペーサーを使う
・8-10速フリーハブでも使える11速カセットというものが存在する(CS-HG800-11)
・12速はマイクロスプラインとなり、10速以下と互換性がないスプライン形状になるので、基本的には12速同士でしか互換性がない
ということらしいです(ややこしすぎる)
今回純正装着が幸か不幸かCS-HG500-10という「8-9速と同じ厚みの10速カセット」のため、スペーサー無しで8-9速対応にできるようです。
●スポーク長の計算
ある意味一番問題となるのがスポーク長です。
上記フリーハブの項でも書きましたが、年々の多段化に伴って、ハブボルト(車軸)に占めるフリーハブの割合が年々増加しており、リアハブのフランジ(スポークを固定するための”つば”)は半フリーハブ側(進行方向左側)へオフセットされる傾向にあります。
その上で、リムは車軸の中心と重なるように組まなければいけないため(ブレーキングに支障が出る)、フリーハブ側のスポークは短く、半フリーハブ側のスポークは長くしてリムを中心に固定する「おちょこ組み(オフセット組み)」と呼ばれる組み方をすることになります。
自転車のスポーク長を計算するサイトは複数ありますが、どのサイトがどこまで正確なのかが初手組みでは不明でした。
最終的にはこの人がやってるのと同様、複数サイトで入力したデータを元にして決めることにしました。
計算するにあたり、ハブの各寸法が必要なので、ノギスを使ってまずは寸法を計測。
(誤差はあると思いますが)
素人の適当計測ですので誤差があると思います。
(誤差は当然スポーク長の計算結果に跳ね返ってきますが)
上記のサイトに加え、検索で出てきた以下のサイトを加えて計算した結果が以下の通り。
自転車探検:左186.2 右184.6
CYCLEBOX:188.5
sqm-jp 左186.99 右184.60
DT SWISS L186.5/R184.1(Recomended L185/R183)
左右が分けて計算できるサイトの場合、左右差は2mm程度となる模様。
フランジ中心がハブ中心と一致していないため、おちょこ組みならざるを得ず、
右側(FH側)が基本的には短くなります。
今回は186mm/184mmの組み合わせでオーダーしました。
いよいよ次回は組み立てです。